今回の解決事例で書かれている内容(目次)
本件は、クレームトラブルに関する事例です。水道局から水道工事を請け負っていた建設会社が、給水管の入れ替え工事、路面の舗装工事を実施していたところ、 近隣で店舗を営業する者から「客が減る」として、工事の中止、金銭の支払いを要求され、従わない場合には工事を妨害するなどと言われた事件です。
咲くやこの花法律事務所のクレーム対応に強い弁護士が、近隣店舗の営業者に対し、工事の中止や金銭の支払いの要求には応じないこと明確に伝え、工事の妨害をするのなら法的措置をとると警告し、相手の要求を断念させました。
本件のクレーム問題となった給水管工事は、夜間の工事でした。 商店街の道路での工事であったため、昼間は、車両及び歩行者の通行が多く、水道局からは、交通安全面などを考慮し、車両及び歩行者の通行が少なくなる夜間に工事を行うようにと指示を受けていました。
工事の時間帯が居酒屋が営業をしている時間帯と重なっていたため、居酒屋には工事の騒音で迷惑をかけていたのは事実です。
工事の騒音を理由に、営業損害等の金銭の賠償を命じた判例も存在しますが、「工事の騒音が社会生活上受忍すべき限度を超えているかどうか」が賠償義務の有無の判断基準となります。
そこで、本件では、以下の2点が争点となりました。
争点1:
工事の騒音が社会生活上受忍すべき限度を超え、工事を中止する義務があるのか。
争点2:
工事の騒音が社会生活上受忍すべき限度を超え、居酒屋に対して営業損害等金銭の賠償の義務があるのか。
本件の給水管工事は、各戸の給水栓まで浄水を送るためのものです。居酒屋も含め、周辺住民が、日常生活を維持存続させるために不可欠な工事です。
このように日常生活の維持存続に不可欠な工事から生じる騒音は、一定程度の範囲内で、社会全体で許容すべきものです。
建設会社は、水道局が定める建設工事に伴う騒音振動対策技術指針に従って施行し、低騒音型の重機を使用するなど、可能な限り騒音を低減するようにしていました。
工事の期間も数日間で、騒音の影響が長期に及ぶということもありませんでした。 工事の騒音は、社会生活上受忍すべき限度を超えているとは言えません。
居酒屋が求めるように、工事の中止や金銭の賠償をする必要はありません。
十分な説明をしても、納得をしていただけない場合には、不合理な要求をきっぱりと断らないといけません。 きっぱりと断らないと要求はエスカレートし、解決に時間が掛かってしまうことになります。
実際に迷惑をかけていたり、これまでの関係から不合理な要求を断るのが難しい場合があるかもしれません。 そのような場合には、クレームに強い弁護士が状況に応じた最適な対策を実施していくことがベストです。
本件クレームトラブルの居酒屋の「工事の中止」、「金銭の支払い」などの要求に対して、クレームに強い弁護士が対応することで、要求を断り、工事の妨害をしないように警告を与えたため、本件クレームトラブルは早期に解決することができました。
クレーム対応については、中途半端な対応が解決までの時間を長引かせます。そのため、早めにクレーム対応に強い弁護士に相談することが早期解決の近道です。
咲くやこの花法律事務所の「クレーム対応に強い弁護士」への今すぐのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間 9:00〜23:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受付していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
著者:弁護士 西川 暢春
発売日:2021年10月19日
出版社:株式会社日本法令
ページ数:416ページ
価格:3,080円